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『大晦日』

2010年01月01日
浦原 × 一護 。


   ほのぼの。









オレンジ色のネコがコタツで丸くなっている、
浦原の頭をよぎったのはそんなイメージ。

今日は大晦日。

妹思いの一護のこと、通常の門限よりも早い時間に帰る予定だったはずだ。
だから、外出した自分が戻ってくる時間に一護がいるとは、期待していなかった。
思いがけない状況に、らしくなく心音が跳ね上がる。



「・・・時間は大丈夫なんですか?一護さん。」

起こす気などないのに、形ばかり声をかけてみた。


力ある鋭い瞳が隠れているだけで、あどけなさが表に出ている。
目を惹くオレンジ色の髪をそっと撫ぜてみても、起き出す気配はない。

「いいんですかぁ?そんなに無防備に寝顔を見せてたらイタズラしちゃいますよん。」

これまた小さな声で警告だけは発してみる。
返事がないことなど解った上で。

「ちゃんと忠告はしましたからね。」

そんな言葉を、彼の唇へ直接囁きかけた。



「・・・いつまで寝ているつもりなんですか?」

しばらく好きなようにしていた浦原だったが、
笑みを含んだ声で目の前の少年に聞いてみる。

耳がほのかに色付いている。
眉間にかすかに皺が寄っている。

起きていることは解っていた。

「ねぇ、一護さん?」
「・・・。」
「強情を張ってたら、もっとひどいイタズラしちゃいますよ?」

このまま一緒にいてくれるだけでもいいけれど。
どうせなら、その瞳を向けて欲しい。
ぶっきらぼうで構わないから、声が聞きたかった。

浦原の『ひどい』をどんなものと捉えたのか、
しぶしぶといったように、一護が目を開けた。

「・・・おはよ。」

目をつぶっていた間の事をなかった事にしたいのか、そんなことを言う。
視線を直接合わせようとしないことから、そんな訳ないことは解りきっていたけれど。

「おや?どうしました?顔が赤いですよ?」

理由など解っているのに、浦原はそんなことを言う。

「・・・コタツが熱かったからな。」
「そうなんですか?風邪でも引いたんじゃないですよね?」

自然な仕草で額を重ねてみせる。

「っっ。」
「また熱が上がったんじゃないですか?」

「・・・あんたのせいだろ!」
「おや?何かしましたっけねぇ。」

「・・・顔が近かっただけだ。」
「アタシの顔が近くにあると、何で赤くなるんです?」

浦原の声は笑みを含んでいて、どこまでも楽しそうだった。
本当の事を認めるまで手を変え品を変え、追求をやめそうにない。
一護にもそれが解ったのか、軽く溜息をつくとボソリと呟く。

「・・・アンタ、俺にキスしただろ。」

「ちゃんと忠告はしましたよ?」
「知ってる。」
「何で黙って受け入れたんです?」

「・・・誕生日プレゼント代わりだよっ。」


一護の言葉に、浦原は軽く目を見開いた。

「知ってたんですか?」
「・・・まぁな。この間夜一さんが教えてくれた。」

浦原は親友のおせっかいに、心の中で感謝の言葉を発する。
一護が、家族との時間よりも自分の誕生日を選んでくれるとは思わなかった。
だから、誕生日だということも黙っていたのである。
知らなければ、選択しようがないから。
そう自分を誤魔化すことが出来るから。

「アンタ、誕生日まで迷惑なヤローだよな。」

そんな憎まれ口をたたくも、行動が裏切っている。
今日がどんな日か解った上でここにいてくれたから。


「すいませんねぇ。でも、そんなヤツに付き合ってくれたんですよね?」
「・・・まぁな。」
「それってやっぱり愛ですよねぇ?」
「!!」

さらりと甘い音色で囁かれて、一護の顔はさらに赤く染まる。
それが全ての答え。


「じゃあ、誕生日プレゼント、請求しても構いませんよね。」

「なっ、さっきやっただろ!図に乗るんじゃねぇ!!」

ぎょっとしたように、一護が叫ぶ。
が、浦原はしらっと言葉を続ける。

「何言ってるんっすか。さっきのは『イタズラ』っすよ?」
「・・・帰るっ。」

「今から帰っても、妹さん達怒って家に入れてくれないんじゃないですかねぇ。」
「・・・。」

「ま、とりあえず、紅白でも見て。一緒に初詣に行きましょ。」
「・・・そんなことでいいのか?」

もっととんでもない要求を出されると身構えていた一護は、
肩透かしを食らったような声を出す。

「ええ、とりあえずは。」
「解った。アンタも意外にまともだったんだなー。」
「そうですかぁ?」
「あんたの口から『紅白』なんて聞くとは思わなかった。」
「年末の恒例行事と言ったら、紅白は欠かせません。」
「あー、そうかもしんないなー。」
「年越しそばは、鉄斎が自分で打ってるんっすよ。」
「へぇー。鉄斎さん手作りの蕎麦なら、上手そう。」
「一護さんがそう言ってくれたら、鉄斎も喜ぶでしょう。」

難題を吹っかけられる訳ではないと思った一護は、
すっかり寛ぎモードに入っていた。

人の悪い大人は、そんな様子にニヤリとほくそ笑む。
『とりあえず』の後、戻ってきたら、本当のプレゼントを要求するつもりである。


(明日は二人揃って『寝正月』を迎えましょうね、一護さん♪)


どんな手段を用いても、
首尾よく『プレゼント』は受け取るつもりの浦原だった。







                             ~ END ~ 



   明けましておめでとうございます。

   『コタツでみかん』と思ったら、浦原商店がぽんっ!と出て来ました。
   そしたら浦原さんの誕生日を思い出しました~(汗)。








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