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5-『交じり合う吐息』

2009年10月04日
「甘い恋の5題」ー5

『交じり合う吐息』




   ギン × 一護 。
   心持ち、微裏風味・・・?


   お題配布サイト・「追憶の苑」様より、お借りしました。
   タイトルの順番を入れ替えて、使用させていただいてます。








一護はいつにない暖かい気配を感じ、微睡の中から浮上する。
夢現の状態で、温もりの元を探るように手を動かしてみれば、
すぐ目の前にあった硬いモノにたどり着く。  平らな裸の胸板。
「!!!」  声にならない叫びを上げると、一護は一気に覚醒した。
現状を理解すると、目の前の男が目を覚ましていないことを確認する。

規則正しい寝息。  思った以上に長い睫毛で縁取られた瞳は、閉じられたまま。
最も、それは日常からあまり変わらない程度しか開かれていないが。

ギンが微睡の中にいることを知ると、一護は安心してその男を眺めてみた。
この男が起きている限り、こんなにしげしげ見つめる機会を持ち得ないだろうから。
そのようなことをしたら、この性質の悪い男はどのようなマネを仕掛けてくるか解らない。

通った鼻筋。 薄いが形の良い唇。 
胡散臭い薄ら笑いが浮いていなければ、純粋に整った顔だと思える。

好奇心から、そっとそのシャープなラインを描く頬に触れてみた。
ギンだと思えば暖かいけど。 自分に比べれば少しひんやりした手触り。
まだまだ発展途上の自分とは違って、しっかり大人の硬さを持っている。
ギンの瞳は、まだ閉じられたまま。

一護は、この機会に、以前から触れてみたかった彼の髪にまで、手を伸ばす。
名前と同じ色をした癖のない髪は、自分のものとは違った手触りで。
さらりとした触り心地の良さに、つい意識を持っていかれてしまった。

だから、男の口元が、笑みを形取ったことに気が付かない。


どれくらい、さらさらと髪をいじっていたのだろうか。
一護は我に返ると、慌ててその手を退けようとした。

その動きを押し留めるように、
一護の手を掴むと、ギンが笑いを含んだ声をかけてくる。

「なんや、もう止めてしまうん?」
「なっっ!オマエ、いつからっ・・・!!」
「ん~? 一護ちゃんが飛び起きた時から、起きとったよ?」

つまりは、最初から気付かれていたということ。
キツネの癖に、タヌキ寝入り。
こういう所が、気を抜けない一因である。

「・・・んの、根性悪っっ。」
見る見る一護の顔が朱に染まっていく。

「そやかて、一護ちゃんが可愛らしいことしてくれはるから。」
「・・・っ。」

しれっとそんなことを言う男に、何の言葉も返せない。
最低限の抗議とばかりに、眉間に皺を寄せ睨みつけるも、
恥ずかしさのあまり潤んだ瞳では、迫力などあったものではなく。
むしろ、男の欲を刺激するだけのものでしかなかった。

「いくらでも触ってくれてかまへんよ?」
「・・・もう、しねー。」
「そないなこと言わんといて。」

唇を重ねながら、合間に囁く。

「やって、ボクはイチゴちゃんのモンやから。キミだけは、いくらでも触ってくれてええんよ。」
「・・・ギ・・・ン・・・っ・・・」
「代わりにボクは、イチゴちゃんに好きなだけ触れさしてもらうけどな。」

有言実行。

こうなったら、一護がこの男に敵うわけがない。
自分の軽率な行動を悔やみつつ、諦めるしかなかった。

まずは、一護がしたように、触れてくるギン。
普段よりも熱を持った手のひらの動きが、心地よい。
うっとりと、瞳を閉じていたら、唇が触れた。

それは手のひらの動きとは違って。
体の奥に残された熾火に、再び火を点そうとするもので。
経験の薄い一護は、すぐに飲み込まれてしまうのだった。


後は、もう言葉もなく。


聞こえるのは、どちらのものとも解らぬ、吐息のみ。





                            ~ END ~
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『甘い恋の5題(ギン一)』 | Comments(0)
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